食事を改善することで、細胞レベルから病気を治します

 食養療法は、東洋医学の陰陽論を用いて病気や体質を診断し、食物のもっている陰陽の性質を薬用として用い、病気や体質を陰陽調和させ、細胞レベルから病気を治すものです。これによって、今の医療では治りにくい、アレルギー・うつ病・不妊症・ガン・認知症ほか様々な病気や不良体質を治すことができます。

 食養療法には、いろいろな考え、やり方があり、中には栄養補助食品などを使って行うものもあります。本院では、人為的に栄養や薬用成分を抽出した補助食品などは一切使わず、一般に手に入る自然の食材だけを使って行う食養療法を行っています。

 食事の処方は、病気や家庭環境によって変えますが、ガンなど命にもかかわるような病気には厳格な「玄米菜食」の処方をします。普段の食べ物をお聞きして、病気や体質を悪くしている食べ物があれば、これをやめて頂くだけの食事の改善の方法をお教えしています。

 たとえば、こんな患者様がいらっしゃいます。

 34歳 女性 A様

症状:ちょっと動くと汗が滝のように出て、そのあと震えが来るほど冷える。

病院の診断:自律神経失調症

1年半治療し、全く効果なく、漢方専門病院へ。ここでの診断は血の道症。 6ヶ月間治療受けるが効果なく、本院に来院されました。

 普段の食べ物をお聞きすると、「朝食はパン、果物、野菜サラダ、コーヒー」をおもに食べておられたので、これを「御飯、味噌汁、陽性のきんぴら、ひじき」などに変えて頂きました。

 経絡治療も併用していますが、三週間で完治し、発病前よりも元気になったと喜んで頂きました。

 この患者様は、病気も陰性、体質も陰性、食事も陰性。病院で出された漢方薬の処方は、症状だけを目標に、体質や生活状態をみていなかったために治らなかったのでしょう。病気や体質を悪くしている陰性の食べ物を、陽性の食べ物に変えたことで、根本である体質が改善され、病気が治ったものと考えます。

 この方だけではなく、食事はほとんど変えず、発酵ぬかヨーグルトを摂っていただくだけで頑固な便秘が治り、長年治らなかった病気が治る方が数多くおられます。

現代病は食事が原因

 大掛かりな調査をしたものに、アメリカ上院栄養問題特別委員会報告書(マクガバンレポート)があります。病と食事の関係について、世界的に調査を行いまとめられたものです。

 ここには、現代病は食べ物が原因とあります。そして、食べ物のことをみない現代医学は、片目の医学とあり、食べ物のことを知らない現代医学に現代病は治せないとまでしるし、アフリカで30年間診療にあたったイギリスのトロウエル博士は、アフリカ現民ではいまでも「脳梗塞、心筋梗塞、高血圧、高コレステロール、アレルギー、糖尿病、ガン、うつ病、認知症ほか」現代病と言われる病気はないと報告書に証言しています。

 食べ物は、国によって、時代によって、また家庭によってもちがっています。食べ物がちがえば、病気もちがってきます。

 今の栄養学がすぐれているものであるならば、日本人の体力は向上していなければなりませんが、いま、日本人の体力は最低の状態にあります。体力がないということは、病気に対する抵抗力もないということになります。

 いまの医学、栄養学の思考回路は西洋医学、栄養学しかないかのようにみえます。生活に東洋医学や栄養学の考えを取り入れて頂ければ、健康はもっと高まるものと思います。

日本人の身体に合った食事をしていますか?

 日本の食事が大きく変わったのは昭和39年東京オリンピック前。各家庭に冷蔵庫が入り、保存食や加工食品が増え、これに食の洋風化もあいまって、これまでにはなかった「アレルギー、糖尿、ガンその他の現代病」が急増しています。

 体力をみてみますと、子供では昭和28年全国小学校体力テストから、成人では昭和39年東京オリンピックから始まり、日本人の体力が一番高かったのは昭和47年〜55年の主食の米をもっとも食べた時で、いま50〜60年の調査の中で最低になっています。

 大正生まれの人は、今でも和食を好んで摂っていますが、和食を摂っている高齢者は若者よりも元気です。和食は世界の健康食として注目を浴びていますが食べ物を食べる歯が何を食べたら良いかを教えています。人間の歯は、穀類を食べる歯10・野菜を食べる歯4・肉魚を食べる歯2の割合になっています。

 和食は、この歯の形にあった食事バランスになっています。現代栄養学は栄養素とカロリーで栄養を考えます。

 東洋の栄養学は、「陰陽・五色・五味・宇宙法則」から栄養を考えます。食べ物は、地元でとれる旬の食材が旬の身体をつくり、食べ物の命を頂いて自分の命を養っていると考えます。夏野菜には身体を冷やす(陰性)の成分を多く含み、冬野菜には身体を温める(陽性)の成分を多く含んでいます。

 低体温が、ガンの引き金になるとも言われますが、いま当たり前のようにトマトやキュウリなど夏野菜を冬にも摂っています。冷えると身体が硬くなり、血流が悪くなって、血圧が上がります。いまは低体温の人が非常に多く、不妊症の方のほとんどがそのようです。

 今、パン食をする人が非情に多くなっていますが、パンを食べている国はどこも乾燥地帯で湿気の多い日本にパン食は合いません。麦は湿気に弱く、数日も雨が続くと麦は立ったまま腐ってしまいます。湿気に弱い麦を食べて、湿気に強い身体は出来ません。水の中で育った米ならば、身体の中の余分な水分を排出してくれます。

 また、私たちの身体に必要不可欠である塩は、成分を見て選ぶことをおすすめします。人間は、塩水(自然塩)だけで一ヶ月は生きられます。市販されている人工の安いものなどは、化学的にみれば純度が高いものですが、これで塩水を作り魚介類を入れても、ミネラルがないため死んでしまいます。そのような塩を摂っている日本人が多くいるのです。

食養による食事の処方について

 食養の食事の処方には、体質・病気・食べ物をみる陰陽の物差しが必要です。
診断の物差しとなる陰陽は、一見、単純と思われるかも知れませんが、陰または陽をさらに陰陽に区分し、さらにどこまでも区分できる物差しです。

図:陰は遠心的エネルギー、「膨張」「軟」「上昇」「冷え」「静」 色は白・青で、陽は求心的エネルギー、「収縮」「硬」「下降」「熱」「動」色は赤

これら陰陽の物差しで、体質・病気・食べ物をみていきます。

体質

 陽性体質の人は、求心的エネルギーをもっていますから、「身体は硬く引き締まり・体温が高く行動的で・顔は丸顔か角張った顔」をしています。
 陰性体質の人は、遠心的エネルギーをもっていますから、「身体は柔らかくゆるみ・体温は低く動きは緩慢で・顔は長い顔・額は広く顎が細い顔」をしています。

病気

 病気を陰陽でみると、例えば、ガンは始め動きが無く、無症状で長い年月をかけ緩やかに大きくなっていきます。この動かない緩慢な動きや膨張は、すべて陰の性質ですからガンは陰病という事になります。

食べ物

 食べ物を陰陽でみると、動く動物性食品は「陽」で、動かない植物性食品は「陰」となります。

 食養では、動物性のものを使うことはほとんどありません。動物性のものも摂らないと、栄養バランスが悪いと思われる人もいると思いますが、人間は約600万年前、チンパンジーから別れ、草食動物として誕生していますので、動物性のものを摂らなくても全く問題はありません。(DNAの研究で証明されています)

 果物・野菜を陰陽でみると、陰は膨張・上昇の性質がありますから陰の食材は水に浮き、陽は収縮・下降の性質がありますから、陽の食材は水に沈みます。このほか、「季節・産地・色・味」などでも陰陽区分をします。

糖尿病の方への食事の処方の仕方

 糖尿病は、陰陽に区分すると陰性の病気ですが、糖尿病をさらに陰陽区分すると、陰性の糖尿病と陽性の糖尿病があります。

 糖尿病は陰性の病気ですから、陽性の食材を摂って陰陽調和させるという事になりますが、体質の陰陽、糖尿病の陰陽を診断し、これにあわせ、陽の食材6、陰の食材4の比率から8対2の比率で食事の処方をします。

食養の食事の実際

 主食・副食のバランスは歯の形に合わせて摂ることを基本とします。
人間の歯は、穀類を10に対し、野菜を食べる歯4、動物性のものを食べる歯2の割合になっています。食養では、動物性のものは基本的に摂りませんから、「畑の肉」を摂るということになります。

 主食は、玄米・うどん・そばなどを基本とし、病気によって五臓を養う、きびやあわなど五穀を玄米にいれて摂ることもあります。

 副食は、きんぴら、ひじきこんにゃく、油揚げと野菜の炒め物、がんもどきと野菜の煮合わせなどを基本に、病気にあわせ五臓を養う五彩五香を使った料理を摂ります。これに、味噌汁、梅干し、たくあん、糠づけなど、これが基本的な食事となります。

 食事療法と言えば、糖尿病が有名ですが現代栄養学が栄養バランスとカロリーで血糖値をコントロールする食事療法に対し、食養の食事の処方は、食べ物の持っている薬用成分で病気や体質を改善する食事療法ですから、病の改善と共に健康で元気な身体を築くことができます。

ぜひ食養療法を取り入れてみてください

 食養療法では、ディーゼル車には軽油、レギュラー車にはレギュラーガソリン、ハイオク車にはハイオクガソリンを入れるように、病気や体質を見極め一人一人にあったオーダーメイドの食事処方をします。私が食事の処方をして頂いたのは、幸運にも当時食養会の第一人者であった、大森英櫻先生でした。処方して頂いた食事で、長年悩まされたいたアレルギー性皮膚炎がわずか3ヶ月で完全に治ったことは驚きでした。

 この療法を身につけるため、熱海の道場へ通い、患者さんを前に大森、牧内両先生が食事の処方をされる実際をそばで同席させて頂き、1986年から6年間学びました。

 本院では、ガンなど命にも関わるような病気に対しては、両先生が行われていた厳格な「玄米菜食」の食事の処方をしますが、はじめにご紹介しました汗かきの患者様のように、病気や全身状態を診て、食事内容を少し変えて頂くだけの食事の処方をすることもあります。

 食べ物は、血となり肉となり身体をつくっています。食事の作り手が変わり、三年もすると家族の体質は完全にかわってしまいます。食養療法の考えを食生活に取り入れることは、病気の治療や健康生活に大きな影響を与えることができるのです。

 食養療法がすぐれている事をご理解頂くためには、この療法で自分の健康を管理し、誰よりも健康でなければならないと考え、常に食べ物と身体の観察をしています。私は、この療法と経絡治療で健康を管理し、40年間薬知らずの健康生活を送っています。

 何もやっても良くならず悩んでいる方には、一人一人の病気や体質に合わせ、オーダーメイドの治療を行う、本院の食養療法と経絡治療で、身体の中から改善し、本物の健康を築いて頂きたいと思います。

初めての方へ