東洋医学では、生命活動のすべては五臓六腑が司っているとされています。
脉診流経絡治療とは、五臓六腑の不調和を整え、自然治癒力を高め、病気を根本から治す治療です。

東洋医学における身体の仕組み

 私たちの身体には、五臓六腑の経絡12本と奇経が、全国を鉄道がくまなく走っているように隅々までめぐり、経絡の内外には生命エネルギーの気・血がスクラムを組んで全身を巡り、生命活動のすべてを行っています。これを、「三焦の元気」または「元気」と言います。

 鉄道は駅によって社会とつながり、私たちは目的の駅から乗り降りをして社会活動を行っています。経絡を流れる気血とツボは、電車と駅の関係のようなものです。鉄道に何かトラブルがあると、駅は混雑したり、まったく人の出入りがなかったりと様々な表情をあらわしますが、気血の流れに何かトラブルがあると、身体に様々な症状があらわれ病気になります。その反応点がツボということです。

経絡イメージ図

東洋医学の「元気」の意味

 脉診流経絡治療は病気に負けない元気な身体にする治療です。私たちは日常会話として「お元気でしたか?」とか元気で活動的な人のことを「血気盛んな人」だとか疲れが取れないで、身体がスカッとしない時、「精気が無くて元気がでない」などと言います。この「元気・血気・精気」などのほかにも東洋医学の言葉が日常会話におおく使われています。これらの言葉は、医学的意味をもっています。広辞苑には、元気とは「天地間に広がり、万物生成の根本となる精気」とあります。

 元気な人の身体は、食べ物を食べたらそれに必要な消化剤が身体の中で作られ消化しています。ケガをしたときには、身体の中で薬が作られ傷を治しています。疲れた時には、栄養剤が作られ疲労を回復させています。アレルギーには抗生剤が、ガンには抗がん剤が身体で作られ未病のうちに病気を治しています。このように、身体の中では色々の「薬やホルモン・栄養剤」などが作られ、健康の維持回復をはかっています。

 このような身体の働きを、東洋医学では「元気」といいます。西洋医学では、「ホメオスターシス・免疫力・抵抗力・自然治癒力・自己治癒力」など訴える目的によって、言葉を使い分けています。

五臓六腑が心と身体を支配しています

 健康を守っている「元気」が故障を起こしたときに病気になります。故障の原因は、暑さや寒さ、湿気、暴飲暴食、過労、ストレスからくる精神の同様と考えます。中でも、「内傷なければ外邪入らず」といって、健康生活を送るのに、ストレスからくる精神の動揺がない事がなにより大事で、こころ穏やかであれば、身体の守りがかたく、病気の侵入を許すことはありません。そして、その精神は五臓に宿り、私たちの心と身体は、五臓六腑の経絡が支配しています。

 皆様にとって受け入れにくい、この東洋医学理論ですが、このことを臓器移植後の患者がこれを明らかにしました。これまでペンを持ったこともなかった労働者が、移植後ペンを取り詩を書くようになった・・・これまで、酒などまったく飲んだこともなかった患者が、移植後、酒が大好きになった・・・これまで、身体を動かすこともなかった患者が移植後、毎日ジョギングをするようになった・・・移植後の患者の変化は臓器提供者の思考行動そのもので、あったというものです。これは、五臓六腑が心と身体を支配するという、東洋医学理論を裏付ける証と考えます。

脉診流経絡治療の診断方法

 東洋医学では、私たちの心と身体は、五臓六腑の経絡が支配し、生命活動のすべてを行っていると考え、治療法が組み立てられています。

 本院では、この理論に添った方法で治療をしております。本院の、脉診流経絡治療は東洋医学独自の診断法(望診・聞診・問診・切診)によって、病気や症状の本態をとらえ、これにはり灸を施し、病気を治せる元気な身体に体質を改善し、病気の改善消失を計るものです。

望診

視覚によって患者様の動作の特徴や顔色をみて、顔面を支配する五臓の支配を観察して、五臓の変動を捉えます。「目は肝、耳は腎」の支配としています。鼻は肺の支配ですが、鼻のどの部に症状があるかをみて、さらに鼻と五臓の関わりをみていきます。
私は、視覚障害ですが聞診・触診で望診は可能です。

聞診

聴覚嗅覚によって声の質や口調、においから体質、体調、五臓六腑の変動をみます。

問診

症状や生活習慣をうかがい病気発症の全体像をとらえます。

切診

術者の指先で脉や腹部・患部に直接触れて診察します。

脉診

治療のはじめから終わりまで治療をすすめていくための診察法の中心となるもので、「治療前の身体の脉」「治療中の身体の脉」「治療後の身体の脉」の変化を確認することで、患者様の身体の変化を知ることができ、これから症状がどんな状態に向かっていくかも予測できます。
脉診では、左右の手首に触れる橈骨動脈に「示指、中指、薬指」の三本の指をあて、体質・体調・五臓六腑の変動、治療後の身体の変化の予測などをみます。
脉診は、治療のはじめから終わりまで治療をすすめていくための診察法の中心となるもので、「治療前の身体の脉」、「治療中の身体の脉」、「治療後の身体の脉」の変化を確認することで、患者様の身体の変化を知ることができ、これから症状がどんな状態に向かっていくかも予測できます。

小児の脉診・
腹診中の写真
腹診

皮膚の色つや、弾力、形などから全身状態、五臓六腑の変動をみます。四診法によって得られた情報を総合判断し、 治療の目標となる病の本態を証として、肺虚証とか脾虚肝実証などとして証を立てます。

 治療は証(あかし)にしたがって、衰えている経絡には精気を補い、高ぶっている経絡からは邪気をとり除きます。訓練された指先でツボに触れると、ツボはこれから行うべき治療法を指示してくれています。その指示に従って鍼をおこない、一鍼一鍼ごとに脉診、腹診を行い治療法に間違いのないことを確認しながら治療をすすめ、すべての経絡を整えます。これによって、全身の気血のめぐりが良くなり、血気盛んな身体、病気を治せる元気な身体になり自然治癒力が高まります。病気や症状の回復を早めるために、患部の気血の、めぐりを良くするためにの標治法を行います。すべての、病気は自然治癒力によって治っているわけですから、自然治癒力を高めれば、すべての病気や症状は改善し治っていきます。

治療後の身体の変化について

・治療後身体が軽くなった
・ご飯が美味しく感じるようになった
・よく眠れるようになった
・快便になった
・昨日までの身体と違う感じがする
・続けたらシミが取れた
・薬がいらなくなった
・風邪を引かなくなった …など、不良体質が改善されます。

 根本療法の経絡治療は、病気の本元、草木の根っ子にあたるところから治す療法ですから、草木を植え替え、根っ子の環境を変えたときと同じ現象が身体にあらわれます。

 根がしっかりしている草木は、葉がしおれ枯れそうになっていても土に戻し、水を1・2回やるだけですぐに元気になりますが、根が傷んでいる草木は良質の土に植え替え、根回りの環境を整えてもすぐには元気にならず、植え替え前よりも葉がしおれ、時には葉を落とすこともあります。植え替えなどしない方が良いように見えたものも、新しく元気な芽でてくると枝葉も元気になり、植え替え前よりきれいな花も咲かせます。

 治療後の身体は、病気を治す本元の状態によって、草木と同じ変化がみられます。

治療直後から数日後までにあらわれる変化

・身体がポカポカする
・症状がやわらぎ身体が軽くなる
・食事が美味しくなる
・良く眠れるようになる
・便の出が良くなる(黒い便が出る)
・尿の出が良くなる(色の濃い尿が出る)
・鼻汁や痰がいっぱい出る
・身体がだるくなる(一時的)
・症状や体調が良くなったり、悪くなったりする(体質が変わろうとする時に起きます)

一定期間、治療を続けておきる変化

・化粧のノリがよくなる
・肌が若返り、シミがとれる
・疲れにくく、元気になる
・風邪をひきにくくなる
・頭痛、眼痛、胃痛、生理痛などがおきなくなる
・薬が少なくなってたり、いらなくなったりする
・病院での検査デーダーが良くなる

健康管理のための定期治療(1〜4回)による効果

・身体が若返る(閉経後1〜1年半の人に治療をすると生理が復活することから身体の若返りを知る)
・病気になりにくい身体になる
・生涯現役で終末期の闘病生活は平均1〜3ヵ月と短く、ピンピンころりの人生を送ることが出来ます


治療後、生活上の注意について

・快復するまでは、無理をしないように70%程度の活動量にしてください。
・飲酒は控えめにしてください。
・痛みのある方は、緑茶・コーヒーなどカフェインの多い飲み物はお控えください。
・暴飲暴食はお控えください。
・激しい運動、労働はお控えください。
・長時間のパソコン、スマホ、運転はお控えください。
・お風呂はまったく差し支えありませんが熱いお風呂や水をかぶるのはお控えください。

病気や体質診断から、下記の改善をおすすめすることがあります。

・発酵ぬかヨーグルトを朝食前に摂ってください。
・副食を減らしてください。
・くだもの、生野菜を摂らないでください。
・砂糖、ハチミツは摂らないでください。(料理・お菓子・アイス・ジュースなど)
・動物性食品は摂らないでください。
・添加物入りの食品は摂らないでください。

治療後の養生が、治りや快復度を変えます。
養生しないと、病気を治すことは出来ません。
しっかり養生して1日も早く良くなってください。


脉診流経絡治療は、どんな病気にも対応出来ます。是非この機会におためしになってはいかがでしょうか

経絡治療が全身治療、体質改善、自然治癒力を高める訳

 人間には、本来生まれながらに自分で自分の身体を守り、病気になったらこれを治す力を持っています。

 医学は農学に学び、農学は自然に学べという言葉がありますが、農業には化学農法と自然農法とがあります。 

 自然農法の作物は「病害虫に強く、暑さや寒さ、乾燥、湿気にも強く」栄養分も豊富で、長期保存ができる力を持っています。 このような作物を作るために、自然農法では、落ち葉や雑草を自然発酵させ、自然林の下の土と同じになるように土壌を改善して、地力を高めます。自然林の下の土は「通気、排水、保温、保湿」にすぐれ、数多くの微生物がすみ、元気な作物を育てる栄養、免疫物質をつくっています。化学肥料と農薬で育てることが出来なくなった鉢植え植物を、この土に植え替えると、ほとんど手は入れずに枝葉は元気になり、きれいな花を咲かせます。

 人間の身体も、自然林の下の土と同じように新陳代謝の良い身体、腸内での栄養分の吸収と善玉菌を増やし、免疫物質の生産を高めれば良いという事になります。 

 人間の身体では、「呼吸、循環、消化、吸収、排泄、(五臓六腑)」が生命活動の元となっています。脉診流経絡治療は、この働きを整える治療です。

 治療によって全身機能が整えられた身体は、自然農法が地力を高めた土で病害虫に強く、元気でスタミナのある作物を作るように、「病気に打ち勝つ身体」、「病気を治せる身体」に体質が改善され、自然治癒力が高まります。すべての病気は、自然治癒力によって治っている訳ですから、自然治癒力を高めれば、どんな病気でも治ると言うことになります。 

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